12月12日、山仲間と蕨山に登ってきました。この日は『12』のぞろ目でした。 蕨山は前回掲載した棒ノ折山の近くで、有間川、名栗湖を隔てたところにあります。 相変わらず、天気は冬型で青空が広がっています。但し、気温は10℃に届きませんでした。 飯能市名郷の登山口から登ります。最初はなだらかでしたが段々と急坂になり、岩場もあってなかなか変化に富んでいました。途中から尾根伝いの登山道になり、気持ちよく歩けました。但し、短い急登と岩場もあります。 頂上と称する展望台は比較的広く、流石に展望もあります。近くに大持山、遠くに赤城山、榛名山、そのずっと奥に雪を被った浅間山も。ただ、風は無かったのですが気温が低く、顔が強張って口が思うように動きませんでした。 下山は通称金比羅尾根を降ります。時々急坂がありますが、危険はありません。途中で救援隊の訓練に出くわしました。ヘリコプターも出動するようでしたが、残念ながら林の陰で見ることは出来ませんでした。『お世話になりません!』と挨拶して別れました。 さわらびの湯のバス停に下山したのは14:07分で、かなり早かったです。 その後、バス、電車で川越に着き、そこで某料理屋で忘年会をしました。帰宅したのは7時前でした。 今回の行程:- 名郷登山口 ⇒ 蕨山頂上(1044m) ⇒ 蕨山展望台(1033m) ⇒ 藤棚山 ⇒ 大ヨケの頭 ⇒ 金比羅神社跡 ⇒ さわらびの湯バス停 川越にて忘年会。 12月12日 今回は、飯能市名郷から蕨山に登り、さわらびの湯に下山する。総勢9名である。 蕨山は近場ということもあり、地球に優しく(ちょっと大袈裟)公共交通機関を利用する。 朝早くに駅へ向かう。明るくなり始めた西の空には月齢28、新月手前の細い鎌のようでリング状にも見える月が沈もうとしている。その傍には金星が輝いている。空気はかなり冷たい。 電車で集合場所の川越駅に向かう。川越駅の川越線電車に全員集まる。 東飯能駅からは名郷までバスである。終点の名郷に着いたのは8:30分頃であった。 準備運動の後、早速登り始める。標識には蕨山まで4.5kmとある。蕨入橋を渡り舗装された林道を緩やかに登る。5分ほど歩くと道のサイドに、再度標識がある(洒落ているつもりではないが・・・)。蕨山まで3.2kmとある。大分速く歩いているようだ(5分で1.3km?、時速15.6km。但し、名郷から0.3kmとあった。)。ちょっと速すぎるからセイブしよう。 みんな寒いと言いながらも、足取り軽く結構乗っている。傍らにはちょろちょろと音を立てて沢が流れる。周りは杉林で、折角の陽が遮られて寒さを感じる。 やがて道は舗装道路を外れ、狭くなり登山道に入る。しばらくして沢にかかる丸太の木橋を渡ると、段々と沢からも外れる。そしてそこには狭い悪路の急な坂が待っていた。 30分も歩くとじわじわと汗が出てくる。みんな一休みして、服を脱ぎ暑さ調整をする。5分ほどして再出発。同じように急坂である。最初の内だから、みんな頑張っている。 1時間ほどすると、杉林の向こうが明るくなってくる。やっと尾根にとりつく。9時30分頃である。山頂まで1.7kmとある。登りはじめの標識からして、標識の数字をどの程度信用して良いか分からないが、既に2.8kmまたは1.5kmを歩いたことになる(かなり違うと思うが・・・!)。いずれにしても、歩けば行き着くだろう。 尾根歩きは林の中とは違って明るく気分も楽になる。時折見える遠くの山並みを堪能しながら歩く。が、この尾根道は起伏が激しい。急坂はもちろん、生意気に小振りながら岩場もある。虎ロープ場も数カ所ある。侮れない尾根道である。尾根に出てから、何回となく四つん這いになりながら急坂を上り、岩を超えて、偶に平らな道を歩いて約1時間10分。有間山への分岐に出る。有間山方面へ広い登山道を100mほど行ったところが、国土地理院で言う1044mの蕨山である。誰とは言わないが先頭のペースメーカーが行くというので、行ってみることにした。すぐに着くが、何のことはない。標識なし。展望無し。何にもないところで、小高くなっているところに、数個の石が積んであるだけであった。みんなは、ペースメーカーの言うことに半信半疑である。(地図には、そう書いてあるのッ!!!) すぐに分岐まで戻る。蕨山まで0.3kmである。すぐに頂上に着いた。10時53分であった。立派な山頂標識があり、『蕨山 1.033m』と記してある。『最後の二桁「33」』のところが少し変。よく見ると、「44」を消して「33」に書き直してある。以前は「44」と書かれていて、『偽装だ!』と随分と評判が悪かったらしい。これを修正したそうナ。そんな噂がある、曰く因縁着きの標識である。 まッ、それはさておき、頂上に着いたのだ!みんな一安心である。因みに、登山口からここまでの標準タイムは、1時間20分だが、我々は1時間10分掛かった。しかも休み時間を入れてである。随分早く着いたことになる。みんな健脚だナ~。それもそのはず、誰とは言わないが、先頭のペースメーカーが大した休みをくれないのだ。困ったものだ。 ところで聞くところによると人気の山だそうだが、頂上には誰もいない。考えてみれば(考えてみるほどでもないが)、二人組のご婦人に会ったのみである。程なくその二人組が登ってきたが、こちらは人数も多く頂上は殆ど貸切状態だった。展望は木の葉がないだけに、木の間から遠くまで見渡せる。近くには大持山、遠くは榛名山、赤城山、そしてもっと遠くに真っ白に雪を被った浅間山や日光連山も見えている(ようだった)。 少し早いが昼食にする。風は殆ど無く、陽が当たる暖かそうなところで、おにぎりを口にしたり、パンを頬張ったり思い思いに弁当を広げる。辛ラーメンや狐どん兵衛、そしてカップヌードルは暖かそうで、この上なくおいしそうだった。 陽が当たっているとは言え1000mを超える頂上だ。20分もすると冷えてくる。30分も経たないうちに、そそくさと下山に取りかかる。 オッと、集合写真を撮らねば・・・。「みんな、並んで!」。先ほどの二人に声を掛け、シャッターを押してもらう。二枚も撮ってもらっちゃった。『お食事中にすみませんでした。有り難うございました。』感謝! と言うことで、無事集合写真も撮り終え、下山である。時々短い急坂はあるものの、基本的にはなだらかな下り坂である。 しばらく行くと、黄色の派手な物々しい服を着た集団が登ってくる。『なんなんだ、あれは・・・!?』先頭の人は手にハンドスピーカーを持っている。みんながっちりした身体で大きなザックを背負い、ハーネスまで装備している。訊いてみると、救助訓練を行っていると言う。これからヘリコプターが飛んできて、風が起こるから注意するように指示された。少し話して、『お世話になりません!』と挨拶をして別れた。しばらくするとヘリコプターの音が聞こえてきた。見上げると木の枝の間から赤と白の救助ヘリが飛んできて旋回している。カメラを向けたが、木の枝が邪魔して殆ど撮れなかった。残念! 話を戻そう。程なく藤棚山に着く。河又まで5.8kmとある。先はまだまだ遠い。一息入れる。 でも、まだ12時前である。『もしかして、14時17分のバスに間に合うかもしれない。』という、いらぬ妄想が先頭のペースメーカーによぎったようである。何となく時間を気にし出したように見える。藤棚山を出るときは、『次は30分くらいで、大ヨケの頭です』と来たもんだ。勢い、足が速くなる。でも、そんな素振りは見せまいともしているようである。後ろを振り返り、離れた列を詰める。とうとう、急に立ち止まり振り向く『だるまさんが転んだ!』状態になってしまった。困ったものだ。まっ、大丈夫。なるようになるさ。 相変わらず短い急坂となだらかな降りの繰り返しである。登山道の左側はまっすぐに伸びた杉と檜の林で、右側は雑木林である。その雑木林の奥を見ると、『あれッ!立派な林道が走っている』。これも、聞くところによるとだが、伐採材を運ぶために作った林道だそうである。32分で大ヨケの頭に着いた。皆さん、お疲れ様です!!!お付き合い頂き有り難うございます。 さて、残りは? 河又まで4.5kmである(本当に信用して良い道のりだろうか)。ここで5分休憩。 もうひと頑張りだ。50分で金比羅神社跡である。頑張らなくっちゃ! 10分ほど歩くと、太い丸太で立派な柵が作ってある。誰かが『牧場みたい』と言う。誰かが『どっちが柵の外かしら?』と言った。さらに、誰かが『わたい等、牛か?』と続く。皆が笑った。 この柵の終わりでは、登山道を先ほど見た林道が横切っている。林道の脇も丸太で固めてある。どこに行くのか、地図にもない立派な林道である。 林道を横切って再び林の中に入る。15分ほど行くと一本の標識と看板がある。標識には『中登坂』とある。看板には名栗湖ネイチャートレイルとあり、名栗湖の周りを回るルートが破線で書いてある。今流行のトレイルを作ったのだろう。但し、現在地から小ヨケの滝までのルートは地図にも蕨山ハイキングの案内図にも載っていない。ただ、ムササビだけが何とも可愛く見えた。殆ど同じ場所が小ヨケの頭である。しかし、その標識は見つからなかった。さらにしばらく行くと金比羅山があるが、これは登山道から離れたところにあり、知らぬ間に通過してしまった。 緩やかな道を30分足らずで金比羅神社跡に着いた。殆ど朽ちかけた木の鳥居が立っている。神社があったと思われる敷地の中央に、小さな石の祠が祀ってあり、傍に金比羅神社奥の院という石碑が建っていた。実は、神社は平成12年に全焼したという。一応柏手を打ち、お辞儀をして挨拶をした。13時30分。もうちょっと頑張ればバスに間に合うだろう。 鳥居を潜って、参道にしては粗末な階段を降る。10分ほど行くと石の鳥居がある。こちらの方はそれなりに立派である。何故かみんなで集合写真を撮った。理由は未だに全く分からない。面白い(おかしな?)連中である。ここを過ぎると、有間ダムもすぐ下に見える。そして、祠を左に見ながら最後の木の丸太橋を渡ると、さわらびの湯のバス停である。無事に14時06分に到着した。 トイレを済ませ、待つほどにバスは時刻通りに来た。これに乗ると、後の電車の乗り継ぎもスムーズに行く。 と言うわけで、川越に、何と15時42分に着いてしまったのだ。
今回は、これでは終わらない。 この後川越の某所で忘年会である。リュックを背負ったままその店に行く。が、開店は4時であった。しばらく待って、二階の座敷に陣取って色々注文する。その前に、先ずビールを飲もう。きょうの山行の無事の帰還と、今年のことを忘れるために乾杯しよう。『かんぱ~い!!!』 そんなわけで、山行に参加しなかった仲間も合流し、ひとしきり賑やかに歓談。18時頃に『良い年を!』とそれぞれの家路についた。 きょうも・そして今年も、良い天気とよい仲間に恵まれ、一日を・そして一年を過ごすことが出来た。みんな!本当に有り難う!!!また来年も頑張ろう!!!
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