コーヒーブレイク

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2013/09/18 12:14:59
【山歩記】<奥穂高岳・前穂高岳 & 高ポッチ山(& 鉢伏山)

 9月12日、13日で、山仲間四人で穂高岳に登ってきました。序でに、14日には高ポッチ高原の高ポッチ山にも行きました。鉢伏山は途中まで行きましたが、曇りであまり展望がよくなさそうだったのと駐車料金を取られるので途中まででした。
 天候はあまり良くなく、遠望は望めませんでした。しかし、雨にならず風もあまりなくて幸いでした。
 一日目は上高地から涸沢ヒュッテまで、二日目に奥穂高岳と前穂高岳を登り上高地に下山しました。鎖と梯子の連続で、危険箇所もたくさんありましたが、全員無事に帰還できました。我々かみさんとじぇんとるまんが奥穂なんかに行けるとは思っていませんでした。リーダーのYさんのお陰で行けましたが、やはり頂上に立ったときは疲れを忘れて感動あるのみでした。
 そして三日目に鉢伏山と高ポッチ山に登りました。メインの二日目は岩場が多く、どこをとっても人間四駆で歩きました。前穂高岳はかなりきつかったです。三日目の鉢伏山と高ポッチ山は殆ど頂上まで車で行けますので楽ちんでした。高ポッチ山は駐車場から山頂まで400m(標高差ではありません。殆ど平地を歩く)というとんでもない山で、山頂からは諏訪湖の全貌が一望できました。


 今回の行程:-
 一日目(9/12)
自宅 = 沢渡 =(タクシー)= 上高地 ⇒ 明神 ⇒ 徳沢 ⇒ 新村橋 ⇒ 横尾 ⇒ 涸沢ヒュッテ(泊)

 二日目(9/13)
涸沢ヒュッテ ⇒ 穂高岳山荘 ⇒ 奥穂高岳 ⇒ 紀美子平 ⇒ 前穂高岳 ⇒ 紀美子平 ⇒ 岳沢小屋 ⇒ 上高地 =(タクシー)= 沢渡(泊)

 三日目(9/14)
沢渡 = 鉢伏山駐車場 = 高ポッチ山駐車場 ⇒ 高ポッチ山 ⇒ 高ポッチ山駐車場 = 帰宅 

 9月12日(一日目)
 朝2時45分起床。リーダーが3時45分に車で迎えに来てくれる。今回も、計画から何から何までお世話になる山行だ。
 そしてもう一人を乗せて関越自動車道に乗る。高速はETCで4時前に乗るとウイークデーでも半額らしい。
 一路松本へ向かう。松本ICで高速を下り、沢渡へ。沢渡のペンションを予約してくれている。ペンションについて車を置き、タクシーで上高地に向かう。バスだと1,200円/人だが、タクシーだと4,000円。すなわち一人当たり1,000円である。上高地に着くまでタクシーの運転手さんが上高地について、大正池の話とか、梓川が犀川に入り犀川が千曲川に合流し、そして信濃川として日本海に流れていくとか、昨年の大雨で道路添いの山が崩落して橋や道路が大きな被害を受けたなどなど色々と教えてくれた。
上高地に着いたのは8時20分頃だった。未だ観光客も少なく、深閑としていた。
 早速歩き出す。ここから横尾までは梓川に沿って歩く。道も広く観光のために整備されていて、登っていることが殆ど分からないほど緩やかだ。但し飽きるほどに長い。明神を過ぎ、徳沢を過ぎた頃には降る人も多くなり、大分人も増えてきた。横尾に着いたのは11時少し前であった。横尾の避難小屋の入口に、昨年・今年で遭難現場の印の入った張り紙がしてある。その数がかなり多い。これから登る者にとってはあまり見たくない貼り紙である。
 横尾で昼食にする。昼食後、大橋を渡って本谷橋へ向かう。ここからは道もいよいよ狭い登山道になり、山に行くのだと言う気にさせる。
 しばらく進むと沢を隔てた左側に大きな岩が見えてくる。屏風岩である。道は右の方に回り込むが、岩は絶壁になっていて圧倒される。岩小屋跡を過ぎると道はいよいよゴロ石の道になってくる。そして本谷橋に到着する。横尾から涸沢までの丁度中間点付近である。立派な吊り橋と少し小さめの橋が両岸を跨いでいる。河原では10人足らずの登山者が休息を取っていた。我々は休むことなく進む。ここからは坂も急になってきて、これから涸沢ヒュッテまで350mほど登る。道は殆ど岩ばかりの道で歩き難い。林の中にはオオカメノキの実が真っ赤に色づいている。路傍には、アキノキリンソウが黄色い花をつけ、チングルマやフウロウの花が夏を惜しむように未だ咲いていた。
 1時間30分ほど歩いたところで、上を見ると霧の下に赤い屋根と吹き流しが小さく見える。涸沢ヒュッテだ。やっと着いた!と思いきや、ここから小屋はなかなか近づいてくれない。さらに30分ほど歩くと登山道は整備された道に変わってくる。そして、やっと涸沢小屋との分岐に辿り着く。ここまで来ればヒュッテはすぐそこだ。平に敷き詰められた石段を登ると涸沢ヒュッテの玄関に到着。14時48分だった。高低差はあまりないものの、長い道のりだった。
 受付を済ませて、部屋に入る。きょうはさほど混んでいない。4人部屋に我々4人だけが入る。もちろん布団一枚に一人が寝られる。これから紅葉の季節になると混雑して、布団一枚に一人が寝るなんてことは出来ないだろう。
 部屋に荷物を置いて、テラスに出る。霧は掛かっているが、涸沢カールが目の前に広がる。底の方には未だ白い雪が残っている。霧がなければ左に前穂高岳、右に奥穂高岳が見えるはずだが、欲を言ってもきりがない(いや!きりがあるから見えないけど・・・。)。右の方にはテン場があり、数は未だ少ないが20張ほどのテントがある。その奥の方に涸沢小屋の明かりが見える。さらに右の方を見ると遠くに大天井岳なども見える。その右の方には来るときに見てきた屏風岩が『デ~ン』と座っている。我々も吹き流しの下に『デ~ン』と座って、生ビールで乾杯!至福の時である。
 しばらくして夕食。夕食後は明日が早いので、早々に寝る。それでは、お休みなさい!

 9月13日(二日目)
 きょうの歩行は長い。約9時間30分である。休憩を入れたら、多分12時間は掛かるだろう。出来るだけ早くに出立したい。
 4時起床。外に出てみると、空はどんよりしている。気温は思ったほど低くはないが、霧なのかそれとも細かい霧雨なのか、何となく頬が湿ってくる。上着だけ雨具を着て、ザックにはカバーをして4時20分に小屋を出る。まだ暗い。ヘッドランプをつけての出立である。道は最初は敷石の素直な道だがすぐにゴロ石の急な坂になる。周りは暗く足下のみが見えるだけである。足首を挫かないように注意しながら歩く。30分も歩くと暑くなってきて、雨具を脱ぐ。『見晴岩』と白ペンキで書かれた大きな岩がある。しかし、曇っており周りは未だ暗いので見晴らしもない。45分ほど歩くと、やっと周りが見えるように明るくなってきた。
 明るくなるに従って周りの様子がうかがえる。相変わらず雲はあるが霧が晴れて昨日よりはずっと良さそうである。
 まだ薄暗い中で目の前に雪渓が出現する。歩く長さは短いが凍りついており滑りやすそう。滑ったら地面とは違ってそのまま滑って止まるところを知らない。かみさんにとっては大の苦手である。用心しながら一歩一歩進む。やっとの思いで渡り終える。そのあとは、今までの道と同じようにガレた道である。
 5時35分頃、雲間からやっと夜が明けてきた。雪渓が朝日に映えてテカテカに光る。
 道はザイテングラードに入り、次第に大きな岩を乗り越えるようになる。鎖場も出てくる。落石が多くなるところだ。用心のためヘルメットを取り出して被る。急な岩ばかりの登りを手足をフルに活用して四駆で登る。正に『人間四駆』である。『赤ちゃん返り』とも言うらしい。
 これを過ぎると奥穂高山荘である。7時20分であった。
 山荘では中に入れて頂いて朝食にする。ここも登山者は少なく、比較的閑散としている。先に奥穂高岳に登った登山者が入ってきて、『頂上は風が強く、霧でずぶ濡れになる』と教えてくれた。
しばらく休んだ後、先ほどの忠告を守って雨具を着て山頂に向かう。
 じぇんとるまんは岩に捕まり『ヨイショ!』と力任せに登った。途端に頭に『ガツン』。横から出ていた岩に頭の天辺を強かに打った。ヘルメットがなかったらきっと血だらけになっていただろう。いつもの山行時の枝で頭を擦るのとは全く違った衝撃であった。
やがて二段連続の梯子が出てくる。滑らないように用心しながら登る。鎖も梯子も何回となく越えなければならない。事前に調べていたように岩場、鎖、梯子の連続である。これらをクリアして、8時39分、奥穂高岳山頂に立つことが出来た。霧はあるが、意外に風は強くはない。山頂は思っていたよりもずっと狭く、10人ほども立つと一杯になるほど狭かった。山頂の祠が、積んだ石の天辺に立っていた。その手前に方位盤がある。早速祠をバックに集合写真を撮る。傍にいる人にお願いして撮ってもらった。もちろんその人の写真も撮ってあげる。
 残念ながら周りは霧で真っ白。遠望がきかないので、方位盤を見ながら山並みを想像する。
 そうしている間にも、次から次に登ってくる。早くに先の方に進まないと一杯になる。
 10mほど降ったところは少し広くなっている。ここから見上げると頂上の祠の下に石祠がある。『穂高神社嶺宮』と書かれていた。
 景色を見ることが出来ないので、長居は無用と道標に従って前穂高岳に向かう。こちらも岩場の急な坂で、鎖、梯子の連続である。所謂『吊り尾根』である。緊張が続く。ただ、足場はしっかりしており鎖は殆ど使わなくて済んだ。因みに、梯子は使わないと下りられません。一段落ついたところで下の方を見ると、広がったカールの中に赤い屋根の岳沢小屋が見える。一幅の絵を見ているようである(本物の方がきれい!)。そして前方には前穂高岳がそびえている。残念ながら山頂は霧に包まれて謎である。
 そんな景色を眺めながら最低コルを過ぎて少し登る。そして11時12分、紀美子平に到着。色とりどりの服を着た多くの登山者が休息していた。眼前には岩ばかりの前穂高岳がそびえており、これも色とりどりの登山者がその岩に張り付いていた。
 かみさんが『私はここで待っている』という。仲間が『せっかく来たのに、登らなければ』と誘う。かみさんは『あれを登るのは無理だ』と言う。指さす先を見たら、何を勘違いしたのか、いま来た吊り尾根を指している。冗談じゃない!じぇんとるまんや他の人でもそれはお断りである。『そうじゃなくて、この岩を登るんだ!』と言うと、『それなら登る』と宣った。と言う訳で、ザックを置いて空身で岩をよじ登り始めた。もちろん四駆である。ここには鎖はない。梯子もない。殆ど垂直な岩を、手と足のみで登る。梯子や鎖のある槍ヶ岳よりもずっと登りにくかった気がする。そして、頂上に着いた。頂上は奥穂高岳よりも比較的広い。下を見ると紀美子平で寛ぐ人たちが見える。そのずっと下のカールの中央を梓川がくねっており、その行く先に上高地の赤い屋根が点在している。しばらくいて下山する。登るときに『こんな所、降るときはどうするだろう』と思っていたが、比較的早くに降ることが出来た。
そろそろ予定の時間よりも遅れ始めている。先を急ぐ。
 紀美子平に別れを告げ、重太郎新道を降る。ここは特に平らな岩が多く滑りやすい。なだらかなところはどこにもない。相も変わらず鎖と梯子である。中には折れ曲がったような梯子もある。そんな岩稜を超えていく。行く手には時折赤い屋根の岳沢小屋が目に入るが、なかなか近づいてくれない。雷鳥広場を過ぎ、カモシカの立場を通って、やっと岳沢小屋に着く。16時頃だった。時間が気になり始めた。リーダーが電話で上高地のタクシーを予約する。18時30分までに上高地に着かないと、通行止めになり沢渡に帰り着くことが出来ないらしい。リーダーは優しい。こんな状態でも、『ゆっくり行こう。怪我があったら元も子もない』と言う。多分、本人が一番焦っているだろうに・・・。
 そそくさと岳沢小屋をあとにする。ここからは大きな岩場はない。時折急な坂があるだけである。みんなの足も、勢い速くなる。樹林帯に入り、涸れた沢沿いを歩く。1時間ほど歩くと大きな涸れ沢を渡る。そして、しばらくして木道を歩く。沢の音も聞こえてくるようになる。時刻は17時30分頃。これだと十分に間に合って、上高地に着くことが出来そうである。
 やがて遊歩道に出た。丁度18時であった。遊歩道は誰も歩いていない。10分ほどで河童橋に出る。河童橋付近もあの観光客で喧騒な昼間と違い、全く人がいない。閑散としている。帝国ホテルの灯が橙色にともって、何となく寂しい感がある。
 橋を渡りバスセンターに18時20分に到着。間に合った。
 そして、タクシーに乗り沢渡へ。
 ところが、タクシーに乗って沢渡に向かう途中でハプニング。途中のバス停に若い(?!)女性が立っている。運転手さんが『バスはもうないはずだが・・・』と気遣う。我々も、もしバスを待っているのであれば気の毒だ。同乗させても良い、と運転手さんに告げる。申し訳ないが、と言いながら車をバックさせてバス停まで戻る。下りて行って女性と話していた。案の定、バスを待っていたらしい。行き先は沢渡の駐車場だという。同乗して行くことになった。そして、沢渡に着き、駐車場で降りた。何度も頭を下げていた。
 我々は宿泊するペンションまで。
 ペンションでは早速風呂に入り、夕食。みんな疲れているにもかかわらず、結構食が進んでいた。
 食事中にリーダーから明日の計画が話された。鉢伏山と高ポッチ山に登るという。じぇんとるまんは何も知らないので、『とんでもない。これ以上登ることは出来ません』と言った。話を聞いてみると、殆ど頂上まで車で行って、頂上までちょっとだけ歩く、という。運動靴はもちろんサンダルでも行けるそうだ。じぇんとるまんも他の仲間も了承した。リーダーに何から何までお世話になる。
 今夜はゆっくり寝るのだ。

 9月14日(三日目)
 起きて窓から空を見ると少し曇っていた。早速風呂に入る。何とも良い気分である。
 朝食が7時30分からだった。朝食もスムーズに入る。
 会計を済ませて、玄関でペンションのご主人に集合写真を撮ってもらう。
 先ずは、鉢伏山に向かう。標高1928.5m。殆ど車で上る。頂上付近に駐車場があるが、有料である(500円)。ここで、曇りで遠望できないし有料であることから、ここでUターン。高ポッチ山に登ることにした。高ポッチ山は、標高1664.9mである。この山も山頂まで来るまで行く。駐車場に車を止めて周りを見回すと、山頂らしきものが無い。と言うのも、殆ど平である。駐車場からも360度の展望が望める。但し、きょうは曇っていて駄目。駐車場には数台の車が駐まっていて、観光客が散歩していた。
 駐車場から5分ほど歩く。ケルンのそばに頂上標識が立っていた。きっと、ここが1664.9mなのだろう。ラジコンのグライダーを飛ばしている人もいた。空にはグライダーが鳥と遊んでいる。遠くの山並みは見えないが、ススキの向こうの方には諏訪湖の全容が霞んで見えた。しばらくブラブラして、下山。何とも優雅なひとときを過ごした。
 丁度昼食時である。街中に戻り蕎麦屋を探す。偶然、美味しそうな蕎麦屋を見つけることが出来た。中に入って蕎麦を食べる。なかなかの味でした。
 食後は渋滞に巻き込まれないように、早いうちに帰路につく。が、途中で工事渋滞に巻き込まれ、30分ほどロスった。それでも、家に着いたのは17時頃だった。

 今回の山行も、厳しかったですが、なかなか行けないところに連れて行って頂きました。
 それに、いつもそうですが、何から何までリーダーにお世話になりました。特に、今回はドア ツー ドアで、運転もお世話になり、最後の日は思いも掛けない登山が出来て。本当に有り難うございました。