(画像はクリックすると大きくなります。) 5月31日、山仲間と河口湖・西湖の近くの毛無山・十二ヶ岳・節刀ヶ岳・鬼ヶ岳を縦走してきました。 当日は気温が高く、少し白く靄がかかったような天気でした。 高速道の河口湖付近では、富士山は笠を被っていましたが、毛無山、十二ヶ岳ではこの雲も取れて雄大な姿を見せ、裾野までかなりよく見えました。 毛無山までは急坂を登る一方でした。毛無山からは十二ヶ岳に向かいますが、これが「一ヶ岳」、「二ヶ岳」、「三ヶ岳」~~「十二ヶ岳」とそれぞれの山を越えていきます。まるで前に行った『釜ヶ沢五峰』のようでした。しかも、数は多いし、それぞれに登り降りが急で大変でした。特に、「十一ヶ岳」から「十二ヶ岳」の間は、今回の核心部で、長いロープ、吊り橋などがあり肝を冷やしながら通過しました。 節刀ヶ岳までは15分程の往復、そして鬼ヶ岳、鍵掛峠を経て下山しました。登りも降りもかなりの急坂と岩稜ではロープと鎖の連続でスリル満点の山行でした。 山は、遠くから見れば緑が大分濃くなっていますが、中に入るとまだ新緑が鮮やかでイカリソウやイワカガミなどの小さな花も目に着くようになって心を癒し、マイナスイオンが一杯で身体には非常に優しかったことを加えておきます。 今回のルート:- 大洞文化トンネル ⇒ 十二ヶ岳登山道入口 ⇒ 毛無山山頂 ⇒ 一ヶ岳~十二ヶ岳 ⇒ 金山 ⇒ 節刀ヶ岳 ⇒ 金山 ⇒ 鬼ヶ岳 ⇒ 鍵掛峠 ⇒ 根場(ねんば)西湖いやしの里 ⇒(バス)⇒ 大洞文化トンネル 5月31日 山仲間5人で十二ヶ岳に登る。山の先輩が計画し、車まで出して運転もして頂く。いつものことながら頭が下がる。 4時05分に迎えに来て頂いた。ほかのメンバーを迎えて、圏央道の鶴ヶ島ICから高速道で河口湖ICへ向かう。天気は上々である。しかし、河口湖に近づいて富士山が見えるようになると、富士山の頭には傘雲がかかっている。きょうも富士山は拝めないのではと懸念する。 文化洞トンネル近くに駐車場がある。はずだったが、よく分からない。散歩をしているご婦人に聞くと、トンネルのすぐ傍の広場に駐めている、と言う。確かに広い所はあるが、どう見ても工事の私有地である。少し離れた所に、道の脇に少し幅の広い所があり数台の車が駐まっている。ここに駐めさせてもらう。 準備をして、先ほどの工事の私有地まで戻る。その奥に立て看板があり『十二ヶ岳登山道入口』とある。ここから登るのだ!と納得して登り始めた。 案内書によると、「電光道」を登るとある。『「電光道」?』稲妻から連想して想像は付くが・・・?!案の定葛籠折れの道である。急登が続く。休み、休み登る。路傍にはイカリソウやギンレイソウなどが咲いていた。 頂上近くになると、展望の効くところに出て富士山が見える。傘は取れて裾野まで見え、河口湖の静かな湖面と共に雄大な景色である。しばしカメラを向けて身体を休める。 そしてさらに登って毛無山の山頂に立つ。8時03分だった。毛無山山頂の標識を確認する。もちろん今朝見た傘雲が晴れた富士山の全景を俯瞰できる。早速集合写真を撮る。まわりの茂みには、ミツバツツジの花は既に地面に落ち、ヤマツツジの花が代わって咲いていた。 しばらく休んで、十二ヶ岳に向かうため林の中に入る。少し下って登り返すと、すぐに『一ヶ岳』という標識がある。この標識は十二ヶ岳まで続く。すなわち、十二の登り降りがあることになる。一ヶ岳からの下りは急峻である。滑らないように用心し、ミツバツツジを愛でながら先に進むと、『二ヶ岳』に到着。 四ヶ岳付近になると再び富士山がお目見えする。今度は西湖と一緒だ。湖と富士山のコラボレーション。右の方には目指す十二ヶ岳も見えている。なかなかの景観である。そして、頼りになる太っといロープを握って急な岩場を下る。十mくらいはあるだろう。全員無事に通過出来た。五ヶ岳で一休みする。同じような登り降りを進んで、『八ヶ岳』である。『やつがたけ』と読んで良いのかしら?それとも『はちがたけ』? どっちにしても、ミニ八ヶ岳。記念に標識の前で集合写真を撮る。帰ったら『八ヶ岳に行ってきた』と威張るんだ。九ヶ岳は、今までとは違って、ピークではない。九ヶ岳の標識の奥には崩壊したと思われるところがある。九ヶ岳はもっと上にあったのかも知れない。崩壊のためにここに持ってきたんじゃない?な~んて想像しながら進む。九ヶ岳からロープを伝って岩場を登る。そして、さらに略垂直な長い岩場を、ロープを伝って登る。『十一ヶ岳』に着いた。『あれッ!』十ヶ岳を見落としてしまったようである。大分疲れました。しかし、これからが本日のメインイベント、核心部である。二休みくらいしなくっちゃ、だね。 さて、いよいよ出発だ。先ず、ゆっくりと下る。イワカガミの群生が満開。「きれいだな~!」と眺めながら進むと、急に先が落ち込む。ここから長~いロープを伝って岩を下る。20mくらいあるだろう。殆ど垂直で、落石にも注意が必要である。一人ずつ用心しながら降りる。降りるとそのまま吊り橋を渡る。橋のすぐ手前には足和田村からのお達しがある。『ひとりずつ渡れ』と。ステンレスの吊り橋でガッチリしている。揺れることもなく手すりも丁度腕の幅くらいで、安心した。と思っていたら、中程まで来るとかなり揺れる。しかも、ほぼ手を伸ばして丁度掴みやすかった手すりも、だんだんと幅が広くなり、とうとう両方の腕では掴めなくなってしまった。橋の片方だけが固定されていて、もう一方は吊り橋そのものでグラグラ。肝を冷やした。『金冷やし』さながらである(失礼)。やっとの思いで渡りきると、さらにそのまま垂直の岩を、鎖を伝って登る。さらにその上はまた太っといロープ。そしてこの核心部が終わる。熱い汗は引っ込み、冷たい冷や汗が脇の下を流れていく場面だった。お陰で、暑いのか寒いのか訳分からない! そして、ここでもイワカガミの群生がホッと安心させてくれた。しばらくなだらかな道を行くと桑留尾分岐に着いた。丁度10時だった。みんなホッとして一休み。『スリルがあって面白い!』と言う人もいれば、かみさんのように『もう、嫌だ!』と言う人もいる。喉を潤し先に進むとすぐに十二ヶ岳山頂である。10時07分に到着した。休む程のことはなかった。山頂はさほど広くはないが、祠が二つある。一つは石祠、もう一つは真っ赤に塗られた神社風。富士山も西湖と共に見えている。が、少し雲が多くなってしまった。山頂には何故かロープがとぐろを巻いていた。何となく妙な感じがする。 一休みして、今度は節刀ヶ岳に向かうが、その途中に金山がある。 山頂からは一端下る。これまたロープである。そして、崖っぷちをトラバースして今度は登る。岩の上に出た。景色は抜群。富士と西湖、そしてこれから登る節刀ヶ岳(多分)。だが、その先は崖で道はない。少し戻って左に折れる細い道を辿る。大石ペンション村への分岐を過ぎるとすぐに金山である。ここで一休みするという。さっき休んだばかりなのに・・・。じぇんとるまんは休まずに、節刀ヶ岳までは15分足らずである、ために先に行くと言う。勝手な奴だ!みんなに顰蹙を買うだろうに。 なだらかな林の中の登りを行くと節刀ヶ岳である。誰もいない。独り占めである。山頂は広いとは言えないが、周りはよく見える。近くには、今まで登ってきた12の山、所謂十二ヶ岳が一望できた。しかし、富士山は先ほどよりも雲が多くなってしまい、おまけに積乱雲の広がりを見せ始めた。 じぇんとるまんは、ここで昼食にする。丁度昼食が終わった頃に一人のおじさん(じぇんとるよりも少し若いかも)が登ってきた。5万分の1の地図(山系の案内地図)を見て、じぇんとるに話しかけてくる。『鬼ヶ岳から来たのだが、十二ヶ岳にはどう行けばいいですか』。じぇんとるは応える、『ここから、今通ってきた金山を左に折れて行けば十二ヶ岳です』と。彼は言う、『金山は通って来ていませんが・・・』と。じぇんとる『そんなはずはないでしょう。それとも、大石の分岐(金山と節刀ヶ岳の間にある分岐)から来たら鬼ヶ岳は通らないし。鬼ヶ岳からだと金山は通るはずですよ。4人のグループに会いませんでしたか』。どうもこの人の話が通じない。丁度そのとき、我が仲間が登ってきた。かみさんがじぇんとるが渡した拡大した地図を出して説明した。が、要領を得ない。2万5千分の1の地形図を見せようと思ったが、余計に分からなくなりそうだったので止めて、『兎に角今来た道を戻って、少し広い所に出たら標識を探して下さい。そこに小さな札があり、さらに丁字路の案内板が木に掛かっていますから』と言って、地図もくれてやった。と言うことで一件落着(と思う)。 みんなも到着して、昼食。昼食後に、山頂標識と富士山と十二ヶ岳とをバックに集合写真を撮った。が、ますます雲が多くなり、白抜けはするしで富士山は殆ど見えなくなってしまった。 そんなこんなで金山に戻り鬼ヶ岳に向かうことにした。金山から一端下って、登り返した頂上が鬼ヶ岳である(12時35分着)。本日の最高峰、1738mの山頂は狭い。展望はそれなりにあるが、生憎雲が多い。一休みしてそそくさと下山する。相変わらずの急坂で、しばらく行くとこれも相変わらずの長いロープである。雲も大分黒くなり、遠くでゴロゴロと雷が鳴り始めた。 みんなも大分疲れてきている。下りの時はピーチク・パーチク。だが、少しでも登りになるとてきめんである。声が殆ど出ない。この辺りはまだミツバツツジが大分残っており、これだけが和みである。登り降り、時には岩場のロープ伝いに歩くこと約1時間。鍵掛峠に着いた。13時34分であった。ここからは降る一方である。現金なもので、ピーチク・パーチクに伴い足も大分速くなっている。葛籠折れの急坂を下るにつれて周りはブナが多くなり(ブナの原生林)、ツツジもミツバツツジからヤマツツジに代わる。そして、やがて林道に出た。この林道を下っていくと根場(「ねんば」)のに出た(14時35分)。茅葺きの家が建ち並んでいる。各家の軒先には案山子が色々な表情で置かれていた(帰宅後調べてみたら、旧足和田村を復元したものだという)。 大勢の観光客が行き来していた。奇遇にもその観光客の中に某山のクラブのNさんがいた。お互いにビックリよ!きょうは観光で、明日、我々と同じコースを登るという。こんなこともあるもんだと、感心した。 この一角にバス停がある。我々が着いたときは丁度バスが出たあとで、次のバスまで約45分ほど待つことになった。その間、時にはソフトクリームなどを嘗めながらウロウロ。 バスに乗って、車の置いてある駐車場へ。 帰りは温泉に浸かり汗を流す。帰路は高速道を渋滞にはまることもなく順調に走り、7時頃鶴ヶ島ICを降りて無事帰宅。危なっかしくも、楽しい一日であった。先輩はもちろん、同行の皆さんに感謝! さらに、長い稚拙な紀行を終わりまで読んで頂いた方々に感謝!
と言う訳で、危険が一杯の山行でした。終わり頃の黒い雲と雷さんは、我々の気合いに押されて知らぬ間に退散し、最後は再び富士山が見えるような良い天気になりました。お陰様で、雨に遭うこともなく無事に帰宅出来ました。 楽しい一日を下さった先輩・皆さんに感謝いたします。有り難うございました!!! |