コーヒーブレイク

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2014/08/23 14:25:33
【山歩記】宝剣岳

 8月21日、木曽駒ヶ岳の隣の宝剣岳に登りました。
 昨年は木曽駒ヶ岳に二回登り、その都度登ろうと計画していましたが、残念ながら天候不順のために達成できないでいました。
最高の天気ではなかったですが、21日に決行しました。
 岩峰で大変だという噂も聞いていましたので、『大丈夫かナ?』と思いながらの山行でした。
 千畳敷まではロープウェイですので楽ちんです。
 岩場を登って山頂に着くと、少し曇っていましたが、見晴らしはそれなりに良かったです。南アルプスも殆ど見えました。
花たちは丁度終わりの頃でしたが未だ頑張っているものもいましたが、そろそろ秋の花に変わりつつありました。
 千畳敷は、ウイークデーにもかかわらず、夏休みのためでしょうか子供を連れた観光客が多かったです。また、団体の方々も沢山見えていました。午後はロープウェイが混みそうでしたので、木曽駒には登らずに下山しました。お陰で非常に楽な登山でした。


 今回のルート:-
 菅の台BC = しらび平 = 千畳敷駅 ⇒ 極楽平 ⇒ 三沢岳分岐 ⇒ 南陵 ⇒ 宝剣岳 ⇒ 宝剣山荘 ⇒ 剣ヶ池分岐 ⇒ 剣ヶ池 ⇒ 千畳敷駅 ⇒ しらび平 ⇒ 菅の台BC


 8月21日(木)曇り時々晴れ
 昨年登りそびれていた宝剣岳に行こうと、天候を睨んでいた。今年は暑く雨が多い。梅雨が明けて少し経ったらまた梅雨に戻ったような天気が続く。21日はやっと何とかなりそうである。ウイークデイで高速の割引はないが、天気優先だから仕方がない。今回は、かみさんは不参加。じぇんとるまん一人である。しかも、色々な情報を見る限り、鎖場ばかりでなかなかの岩峰らしい。やはり相棒がいないと何となく不安である。
 と言うわけで、朝5時に自宅を出発する。
 高速道をひた走り、菅の台バスセンターに着いたのは7時45分頃だった。丁度バスが出るところだった。駐車場に入るときに、係の人が『次は8時15分です』と教えてくれた。駐車場はかなりの車の数だ。何処に駐めようかウロウロしてしまった。
家族がいる次に並ぶ。みるみるうちに人が増えてくる。結局一台のバスに乗りきれなかったようだ。我々の乗ったバスが出るときに、バス停には大分人が残っていた。
 ロープウェイは、この時間だと混んでいるときは1時間とか2時間待つことが多いそうだが、季節はずれと言うことで、待つこともなくスムーズに乗れた。しらび平で、我々の前に団体のバスが一台出発したが、そのお客さんも一緒である。言葉から中国の人たちらしい。
 ロープウェイからは、上の方は雲があるが、地平線の方は南アルプスがよく見え、富士山もくっきりと見えた。何となく幸先がよい。
 千畳敷駅に着くと何となく寒い。駅の温度計は15.7℃、湿度61%であった。駅内は結構人がいる。外に出ると冷たい風が吹いており、寒い。千畳敷カールが広がり、宝剣岳がよく見える。早速準備運動をして、神社にお参りし、きょうの無事をお願いする。
 神社を左に折れて極楽平に向かう。9時02分出発。皆さん左に行き、極楽平に行くのはじぇんとるまんだけだった。ロープが張ってあり、紙の札がぶら下がっている。『崩落箇所があり危険です。完全登山装備で登ってください』と言う主旨が書かれていた。
 横から冷たい風が吹いてくる。下界では考えられないくらいに寒い。しかし、しばらく歩いていると少しずつ暖まり、汗が出てくる。途中で二人連れの外人さん(失礼!外国人の方)が追い抜いていった。大きく歩幅が広いのと、若いので足が速い。すぐに遠くなってしまった。じぇんとるまんはマイペースで登る。花を愛でながら・・・。
 極楽平に着いたのが9時28分だった。ほぼ予定通りである。振り返ると、千畳敷駅の赤い屋根が小さく見える。南アルプスは全開である。奥秩父の山並みもうっすらと見えていた。八ヶ岳は山の影で見えなかった。何故か、北の方は見なかった。じぇんとるまんは、時々こんなことをやって見逃してしまうことがある。
三沢岳分岐までは尾根を歩く。尾根に出た途端に、今までよりもさらに強い風が吹く。昨年、三沢岳に登ったときも同じように風が強く、帽子を飛ばされてしまったことを思い出す。その箇所で見てみたが、もちろん帽子はなかった。
分岐に着くと(9:39)三沢岳が、『また来たのか』と言っているようだった。今回は左に折れることなく、真っ直ぐ宝剣岳に向かう。
 前を見ると岩ばかりの宝剣岳が聳えている。相変わらず南アルプスも見えている。
 分岐で花をカメラに納めながら一休みし、そして宝剣岳へ。
 宝剣岳に近づくと先ず前のピークが見える。その姿は、物々しい鎧で身をくるんだ、怪物のようである。
 先ず、最初のピークに取り付く。慎重に岩を掴み、鎖を補助にしながらよじ登る。まさに『よじ登る』と言う言葉がぴったりである。岩の間からキキョウがラッパのような顔を出して、微笑んでくれた。無事にピークを通過すると、すぐに次の岩峰が見える。狭い両側が切れたところを、鎖を頼りに通る。道も狭いがしっかりしており、注意しながら渡る。ここから一端下ると、再び登り返すが、ここでも鎖場が続く。足場はしっかりしており、ステップも打ち込んであるところを注意しながらよじ登る。
ピークを越えると、今度は急な下りである。降りきったところが少し平坦な路になる。が、それも束の間。次のピークが待っている。
 相変わらず鎖場をよじ登り、岩のトンネルを潜ると(と言っても、ひとつの大きな岩の下を潜るだけ)、下の方に小さく千畳敷駅が見えていた。ここまで来るともう一息で山頂になる。岩場を、鎖を使いながら二登りすると、そこが狭い山頂である。10時16分だった。
 真正面に岩が突っ立っている。その天辺に青年が座っていた。大きな声ではしゃいでいたが、遂にその上に立ち上がった。曰く、『こんなところ立てないヨ』だと・・・。じぇんとるまんは、怖くてそんなまねは出来ないから、先ずは山頂の標識を撮った。それにしても小さな標識である。周りを見ると数組の登山者が遠くを眺めて景色を堪能していた。じぇんとるまんも今来た道を振り返ったり、南アルプスを写真に撮ったり、木曽駒ヶ岳、宝剣山荘、天狗山荘等々を楽しんだ。そして、岩の間にひっそりと祀ってある祠を写真に納めた。
 それにしても、狭い山頂である。登ってくるハイカーもいるので、長居は出来ない。しばらくして宝剣山荘の方向に下山する。
下山も最初は鎖場から。用心しながら鎖場を降る。しかし、登りほど長くもなくすぐに普通の岩場の道になる。下には、青と赤の屋根をした天狗山荘と宝剣山荘が見え、その向こうに木曽駒ヶ岳が見える。
 白砂を踏んで宝剣山荘に、10時53分に着く。振り返ると、やはり荒々しい岩峰だ。右の方に人の横顔に見える大きな岩が聳えている。何とも滑稽な感じがする。
 一休みして、下山する。今回は、駒ヶ岳の方には行かない。
 帰りは降る一方だから、花を見ながら歩く。浄土乗越では小さな子供からお年寄りまで沢山の人出だ。登る人、降る人、そして一休みしている人など、年寄り沢山の人が行き交っていた。人がいないときを狙って、瞬時に道標を写す。なかなか難しい。
 階段を下り、剣ヶ池に向かう。お花畑は、まだ花が残っており、さらに秋の花に変わろうとしていた。擦れ違う人たちも、三歳くらいの小さな子供からご老人まで歩いている。中にはサンダルのままで来ている人もいる。道は整備されているとは言え、石がゴロゴロしている。「大丈夫かいナ?」と訝りながら歩く。
 剣ヶ池に着くと、昨年は見ることが出来なかった宝剣岳から広がるカールがすばらしかった。ここで、池と大きな景色を見ながら、かみさんが持たせてくれたお稲荷さんを頬張る。至福の時である。
 食事も終わり、景色を堪能したのち千畳敷駅に向かう。千畳敷駅に着くとすぐにロープウェイの乗り場に行き、何時のがあるか尋ねると、12時10分発があるという。待つこと数分。待っている人も多くなく、すぐに乗れた。
 あとはバスでバスセンターまで行くのみである。が、バスセンターへの道すがら、登りのバスとのすれ違いのために何回も止まる。団体さんの臨時のバスが出ているようである。これでは、考えていた通り、午後のロープウェイはかなり混雑すると思う。
菅の台バスセンターについて、窮屈な登山靴を脱いで「つっかけ」に履き替える。
 温泉に行こうか迷ったが、汗も余りかいていないので帰ってから風呂に入ることにする。そして、高速道を帰路についた。

 と言うわけで、無事に所望の目的を達成することが出来ました。
 宝剣岳も事前の情報収集時点ほどのことはありませんでした。鎖は補助的に使い足場も取っ手も岩で賄うことが出来ました。もちろん十分な注意と気持ちの集中が必要でした。晴れた夏の無雪期であれば、時間的にも距離的にも短いですし、さほど心配することもなく登れると思います。ただ、じぇんとるまんにとっては、相棒がいないことが最後まで不安の種でした。単独での登山は、危険度の少ないハイキング程度にしたいものだと思います。
ともあれ、夏の良い思い出の一日になりました。