| 9月8日(月)から10日(水)で、かみさんと白馬三山を縦走してきました。 8月に行くつもりでしたが、天候が思わしくなく、さらにその後に色々な条件が重なり結局この日になり電車利用になってしまいました。大人の休日倶楽部を利用しますので、電車でもかなり安上がりです。 9月になると深夜バスもかなり少なくなります。それに、お盆を過ぎると白馬以降の交通機関が乏しくなり、天候のほかにも色々と制限されてしまいます。特に、蓮華温泉への交通の便はバスかタクシーですが、タクシーは平岩駅にはなくて白馬から呼ぶことになり、料金は概略1万円です。バスはお盆過ぎからは金曜日、土曜日、日曜日、月曜日に平岩駅から蓮華温泉まで一日2往復で、料金は1,520円です。そのほかの日は運行しません。
今回は、1日目の蓮華温泉までと、二日目の蓮華温泉から白馬岳山頂山荘までの行程を記します。 ルート:-
一日目(移動) 自宅 = 南小谷 = 平岩 = 蓮華温泉ロッジ(泊)
二日目 蓮華温泉ロッジ(登山口) ⇒ 天狗の庭 ⇒ 白馬大池 ⇒ 船越の頭 ⇒ 小蓮華山 ⇒ 三国境 ⇒ 白馬岳 ⇒ 山頂山荘(泊)
9月8日(一日目) 適切な夜行バスはなく、仕方なく電車で行くことにした。 朝、最寄りの若葉駅を6時42分発の電車に乗る。朝霞台、西国分寺を経て、立川でやっと南小谷行きの特急に乗り、落ち着く。南小谷駅で大糸線に乗り換え、平岩駅に12時09分に着くはずだ。だが、信号機が緊急指令を出したとか何とかで、遅れる。平岩駅から蓮華温泉行きのバスは12時20分である。これを逃す金曜日までバスはない。じぇんとるまんは気が気ではない。だが、かみさんは悠然としている。いつもそうだが、不思議に思う。彼女の考えでは、『電車とバスの関係は1つしかないのだから、必ず電車が着くまでバスは待つはずだ』とのことである。冷静に考えれば納得できそうだが、なんせじぇんとるまんは気が小さいから、不安で仕方がない。結局、4分遅れの12時13分に平岩駅に着いた。因みに、南小谷からの大糸線の電車(ディーゼル車)は可愛い一両編成で、ワンマンカーである。駅は無人と言うことだったが、随分と立派な駅で駅員さんが一人いた。別に改札をやるわけではないようで、出迎えるだけであった。下車したのは我々のほかに、我々と同年配くらいのご夫婦一組の四人だけであった。 既にバスは待っていたので、すぐに乗り込んだ。しばらくしてバスは出発する。山の中をくねくねと曲がりながら蓮華温泉に向けて登っていく。時折見晴らしが良いところでは雨飾山が良く見えた。 丁度1時間で蓮華温泉ロッジのすぐ下の駐車場に着いた(13時20分)。駐車場には、乗用車が数台駐まっていた。蓮華温泉ロッジで受付を済ませる。きょうはここに泊まる。きょう宿泊する人は少なく、我々は一部屋をあてがわれた。 しばらくして、有名な露天風呂を見に行く。整備されていない登山道同様の山道を登ると10分ほどで『三国一の湯』がある。さらに5分ほど登ると、『仙気の湯』、そしてすぐ上の方に『薬師の湯』があった。これらの湯はもちろん混浴であり、さらに更衣室など洒落たものはない。どこからも丸見えの温泉である。強いて言えば、薬師の湯はその上には行けないので上から覗かれることはないと言う程度である。かみさんは手拭いを持ってきており、薬師の湯に入ると言う。じぇんとるまんはタオルを持ってきていない。そそくさとタオルを取りに戻る。戻る途中で、バスで一緒だったご夫婦に会った。ご夫婦も風呂に入るべくタオルを持参していた。じぇんとるまんだけが馬鹿みたい! 急ぎタオルを持って戻り、仙気の湯に入る。なかなかのんびりと入ることが出来た。入っていると上の薬師の湯からかみさんとバスで一緒だったご夫婦の奥さんが揃って降りてきた。二人で入ったらしい。旦那さんの方は仙気の湯から出て、次の『黄金の湯』に入ると言って下の方に降って行った。じぇんとるまんもしばらく入ってロッジに戻ることにした。戻ってみるとかみさんとご婦人は打ち解けて色々と話し込んでいた。 夕ご飯は、このご夫婦と同じテーブルだった。聞くところによると、明日は大池山荘に泊まるそうである。旦那さんが高山病にかかりやすいので、ゆっくり登るとのことだった。 夕食後は早めに床に着く。
9月9日(二日目) 4時30分起床。朝食は6時からだが我々は5時に出発する。弁当を作ってもらい、これを持って出立する。 なだらかな樹林帯の中の登山道をゆっくり登る。しばらくして坂はだんだん急になってくる。そして一本調子の登りになる。樹林帯の中で展望は効かない。じぇんとるまんの嫌いな時間である。かみさんはサッサと登っていく。なかなか調子がよろしいようで・・・。 1時間30分ほどこんな調子が続くと、急に明るく開けた岩がゴロゴロしたところに出た。天狗の庭である。ここからは大分展望も開けて、雪倉岳だろうか、右の方に山並みが見える。 再び樹林帯に入るがすぐに稜線に出る。広々とした平原のようなところである。チングルマは既に穂が出てほかの草も少し黄色じみている。やがてロープ沿いに歩く様になり、ゆっくりと左に曲がると赤い屋根の大池山荘が見えてくる。山荘に7時57分に到着した。以前(随分前だが)と同様に周りはチングルマで覆われており、池は真っ青に空を写している。ザックを下ろしてしばらく休む。時折吹く冷たい風が心地よい、というほど暑くはなく、汗をかいた背中が寒くなってくる。流石に2500メートル近くになると相当に冷える。軽く朝食を済ませて、早くに出立する。 これからは視界の開けた稜線を歩く。登りの坂は相変わらず同じような勾配が続き喘ぎながらの歩きだが、幸い風も殆どなく路傍にはトウヤクリンドウやイワキキョウなどが咲いており気持ちの良い道である。船越の頭から先を見ると、稜線に沿って白い道が長く続いている。振り返ると緑の中に大池が青く、その傍らに小さく赤い屋根の山荘が見えていた。 大池を出てから1時間40分ほどで小蓮華山の山頂に着いた。記憶にあるものとは少し違っており、立派な剣が建っていた。 さらに45分ほどで三国境に着く。10時40分だった。ここまで来れば、もう少しで白馬岳だ。かみさんは、『このまま行ったら、鑓温泉まで行けるかも!?』などと宣うた。確かに早く出たとは言え、かなり速い歩きで、予定よりは随分と早く着いている。ただ、かみさんはいざ知らず、少なくともじぇんとるまんはかなり喘いでおり、這々の体である。『勘弁してヨ!!!』。 じぇんとるまんは白馬岳の頂上が見えたときはホッとした。そして11時39分に山頂に到着。山頂の登山道と反対側を見ると鋭く切れ落ちた崖になっている。そして、空は青いが残念ながら大分ガスってきており遠くは見えない。15分ほどして、直下の山頂山荘に向かう。 宿泊の予約は入れていない。泊めてくれるだろうとは思うが、最近は予約がないとグダグダと言われることが多いらしいから心配した。下手に出てお願いすると、いとも簡単に了解してもらった。この時期になると来る人も少なく、ガラ空きであるようだ。その証拠に、我々二人で一部屋を使うことになった。それにしても、このくらい人気のある山で、ホテル並みの山小屋だとシステム化されていて奇妙な感じがする。例えば、受付と部屋の説明をする人は横並びの窓口に座っており、受付をしたら『はい、そちらの方へ』とのことである。そこで説明を受け、部屋に案内されることもなく放り出される。自分で部屋を探すことになる。よくよく効いていないと分からなくなる。 それはさておき、レストランでビールを飲んだ。昼寝をして、明日の登山の鋭気を養った。 夕食時に、蓮華温泉で一緒になったご夫婦の奥さんと出会った。旦那さんは白馬大池で高山病でダウンしたとのこと。それで、奥さんはどうしても白馬岳に登りたいと言うことで一人で登ってきたそうだ。旦那さんは今晩は大池に泊まるそうで、明日大池で合流し白馬乗鞍岳経由で栂池に下山するそうである。じぇんとるまんもかみさんも口にはもちろん顔にも出さなかったが、何となく旦那さんも奥さんも気の毒になった。 夕方になってガスは晴れ、雲海は広がっているものの遠くまで見通せるようになった。夕食後に外に出て明日登る杓子岳、白馬鑓ヶ岳などを眺める。遠くには剱岳や立山が見えている。よく見ると白馬鑓ヶ岳の肩のところに鋭く尖った『槍ヶ岳』がはっきりと見えていた。しばらくして夕日が沈み始めると、杓子岳、白馬鑓ヶ岳は赤く染まり、見事なアーベントロートである。 少し風も出てきて寒くなってきた。部屋に入り布団にくるまる。疲れた身体は少しずつ暖まり、知らず知らずのうちに眠りについた。
そんなこんなで、一日がゆっくりと終わりました。明日はまた厳しい行程です。でも、頑張ります! |