11月12日、榛名山の外輪山である掃部ヶ岳と杏が岳に登ってきました。 本来ならば、某山のクラブの月例山行で15日に登る予定ですが、じぇんとるまんもかみさんも用事があって参加できません。それで一足早くに登ることにしました。コースは同じです。 杏が岳は国土地理院の地図では『李が嶽(すももがたけ)』と『杏ヶ岳(すもうだけ)』が併記されていますが、土地の人は『杏が岳(すもんがだけ)』と書き、呼んでいるそうです。標識にも『杏が岳』となっており、『杏』に『すもん』とふりがながしてありました。 天気は曇り、山の上は雲の中でした。時折、木の露が落ちたのか雨なのか分からない程度にポツポツと落ちていました。こんな訳で見晴らしは全くなし。ただ歩くだけでした。 じぇんとるまんは、掃部ヶ岳も杏が岳も標高はあまり高くないので、少し侮って掛かっていたようで、かなりきつい思いをしました。と言いますのも、2つの山の間にはいくつもの山谷があり、鷲ノ巣山とか横峰とか、そのほかに名前がない登り降りがたくさんありました。十二ヶ岳ほどではないにしても、きつかったです。道のりは約10kmです。13時頃に下山しました。登山口と下山口は500mほどしか離れていません。登山口のすぐ傍の国民宿舎榛名吾妻荘でお風呂に入りました(500円/大人)。お風呂は5階にあり展望温泉と呼んでいるようでした。風呂に入っている間に天気が良くなり、名前の通り風呂場から榛名富士を中心として榛名湖の周りの山がよく見えました。山を歩いているときは何も見えませんでしたが、最後になってせめてもの慰めになりました。
行程:- 町営駐車場 ⇒ 掃部ヶ岳登山口 ⇒ 硯岩分岐 ⇒ 硯岩 ⇒ 硯岩分岐 ⇒ 掃部ヶ岳 ⇒ 横峰 ⇒ 杖の神峠 ⇒ 鷲ノ巣山 ⇒ 杏が岳 ⇒ 鷲ノ巣山 ⇒ 杖の神峠 ⇒ ⇒ 下山口(湖畔の宿記念公園) ⇒ 入浴(国民宿舎榛名吾妻荘)
11月12日 曇 5時30分に家を出る。鶴ヶ島ICから渋川伊香保ICで降り榛名湖に向かう。町営駐車場に行き着く手前で、市営駐車場がありトイレがすぐ傍にある。地図通りの配置。駐車場に車を止める。あれっ!国民宿舎榛名吾妻荘が見あたらない。その代わりに甲子亭がある。その前にタクシーが止まっていたので、吾妻荘を訊くと、この上じゃないかと言う。確かに大きな家がある。大丈夫だな!と、思いはするが、不安は消えない。地図を出してみてみると、吾妻荘はもう少し先のようだ。車に戻り、少し先まで進める。1kmも行かないうちに町営駐車場(市営駐車場の看板も併設されていた)があり、その傍にトイレがある。ここに違いないと車を入れる。地図通りだとこの先に吾妻荘があるはず。歩いて行ってみると、ありましたネ。『国民宿舎榛名吾妻荘』。そのすぐ脇に、『掃部ヶ岳登山口』・『硯岩登山口』という札が上下に並んでいた。ウッ、フッ、ふ!見つけたぞ!!! 車に戻り用意をして、『さあ!登山だ!』(7:33) 登山道を行くとすぐに丸太の階段がある。登り詰めると硯岩分岐であった(7:48)。右に折れて硯岩に向かう。案内書やブログによると、硯岩まで5分とか書いてあるが、かなりきつい急勾配である。結局のところ5分かかった。どれが硯岩か分からないが大きな岩がゴツゴツしている。登ってみるとその先は行けなくなっていた。行けないわけではない、じぇんとるまんは行かないのだ。断崖絶壁で、飛んで先に行くと多分落ちるだろう。従って先には行かない。 本来ならば、と言うか天気が良ければここで榛名湖に映る榛名富士がきれいに見えるはずであるが、最初に述べたとおり曇りで霧があり(殆ど雲の中のよう)、予想通り何も見えない。直下の国民宿舎の屋根が見える程度であった。長くいても仕方がないので、すぐに戻る。 分岐まで戻り、掃部ヶ岳に向かう。しばらくなだらかな登山道を行くと、丸太の階段がある。良く整備された登山道だと思い、登り始める。が、この階段なかなか終わらない。まだか、まだかと思いながら休みもせず登る。実はかみさんが休むと言わないから着いて行っているだけだが・・・。この階段、山を直登している。と言うか、直登するために階段があるようなものである。約20分間、いやそれ以上に休みなく続いた。やっとの思いで尾根に取り付く。結局、尾根に取り付くまで殆ど全部階段だった。尾根に取り付いたのが8時26分だった。分岐を通ったのが8時01分だったから25分掛かっている。その殆どが階段だった。きつかった!!! 道標があり、『掃部ヶ岳 0.2km』とある。ヤレヤレと思って進むと、これも急登。9分掛かって、やっと掃部ヶ岳山頂に辿り着いた。8時35分だった。相変わらず展望なし。水を飲み、数分休んで杏が岳に向かうため藪に入る。笹が膝上まで覆い被さってくる。踏み跡はあるが笹で見えない。ストックで掻き分けながら進む。急な坂を降ったかと思うとまた登る。数十メートルの起伏が続き、この繰り返しである。道標があり、それに『横峰』と書いてあった。こんな所でゴルフでもあるまいと思ったが・・・(冗談ヨ)。地図にはないが、土地の人はそう呼ぶのだろう。ここで気付いたがこの標識はいたるところにあり、必ず高等学校の名前が書かれた札が貼ってあった。深い意味はないが、因みに高等学校の名前を挙げると「高崎工業、利根実業、伊勢崎東、前橋工業、渋川女子、伊勢崎女子」の各高等学校だった。 まっ、それはそれとして、先に進むと大きな岩が行く手を阻んだ。巻き道があり、先を行くかみさんはすんなりとそちらの方へ行く。しかし、高いところが好きなじぇんとるまん (高所恐怖症のくせに・・・。何とかと煙は上りたがる)は登ってみたい衝動に駆られる。先駆者はいる。チャンと道がある。かなり危険が伴いそう。登ってみると2つの岩が空に向かっていた。さらに登るとその一つの中腹から横に張り出した岩がある。見ていると長崎の平和の像を見ているような気がしてきた。これ以上登ると、じぇんとるまんにとっては危険が危ないのでここまでにした。降りて巻き道を行こうとしたら、こちらも岩が張り出していて、かなり狭い道で落ちそう。でも通らないと先に行けないから通ってしまった。前にかみさんが立っていた。曰く、「そっちじゃなくて、私はこっちを通ってきたけど?!」。そこには、踏み跡がしっかり付いた平地があった。そして、立て札には『耳岩』と書かれていた。先ほどの空に向かって突出していたのが耳だと言えばそうかも知れない。 さらに5分ほど歩くと登山道が鋭角に曲がっている。ここに立っている高等学校の道標は単に『杖の神峠』とのみ書かれていた。しかし、このそばに立ててある白い道標は非常に分かりにくかった。よく読めば丁寧に書いてあるのだが、一寸見ただけではここが『杖の神峠』ではないかと思い違いをしそうである。ともかく信じて先に進む。一寸待った。ここに頭を赤く塗った『宮標石』があったのを忘れていた。『宮標石』については記載しないが、興味のある方は個々で調べて下さい。 さて、笹に覆われた急な坂を滑らないように降る。笹で目隠しされていて見えないし濡れていて滑りやすい道である。15分足らずで石仏が見えた。これが『杖の神』様だ。傍に祠があった。かみさんが裏の字を見ながら、江戸末期に立てられたものだ、と言う。少し離れた所に、昔は立派だったかも知れない鳥居があった。今は、周りは笹に覆われて、誰も気がつかないかも知れない。すぐ先に舗装された林道がある。『杖の神峠』と書かれた錆びた鉄板が掲げてあった(9:48)。 この舗装された林道を横切り、再び、三度、笹藪に躍り込む。しばらく登りが続く。そして登り詰めてピークに出る。『鷲ノ巣山』と書かれていた。この名前も地図には書かれていないが、多分1317mのピークであろう。これは杏が岳よりも高い。 一端下って、登り返すとそこが『杏が岳』である。10時38分に到着した。中央に石祠が鎮座している。三角点もある。その傍に、自然の石を屋根にしたような石祠もあった。周りの林の中にも数宇の石祠が祀ってあった。 遠望のきかないところで長居は無用。おやつと少しの休息を済ませて、元来た道を下山する。途中で一人のおじさんにあった。こんな日によくまあ、我々と同じ人がいるものだと感心した。でも、そのおじさんは元気そのものだった。 杖の神峠に戻り杖の神様の傍で昼食にした。カップラーメンが温かく美味しかった。 食後、舗装された林道を下山する。舗装はすぐに凸凹のひどい林道らしい林道に変わる。これを何回か繰り返して里の家(別荘)が見えてくる。この別荘が殆ど使われている気配がない。バブルのときに立てられたものだろうか。もったいないような気がする。そうこうしているうちに、本物の里の家が見えてきた。さらに、「これはいい家だ。出来れば買いたい」と思うほどの、周りが檜で作られている家があった。看板に『竹久夢二のアトリエ』と書いてあった(12:44)。買えないじまいである。残念!!!(金もないくせに) お土産屋が並んでいる県道33号線に出る。お土産屋の前に縁台が置いてあり、その上に招き猫宜しく猫が鎮座している。かみさんはすぐにそちらに向かい遊んでいた。じぇんとるまんは榛名湖のほとりの道を歩き駐車場に向かう。道端のモミジは少し過ぎてはいるが、まだ真っ赤に、真っ黄色に染まっていた。駐車場までは500mほどである。駐車場に行く前に、吾妻荘に寄る。フロントで日帰り入浴が出来るかどうか聞いてみた。「きょうは、休館日だが風呂は入れます」とのこと。駐車場に行きかみさんと用意をして風呂に入る。風呂は5階建てのビルの5階である。展望温泉と銘打っただけあって展望は良さそうである。 早速風呂に入る。休館日とあって広々とした風呂に先客が一人いるだけで、貸切同然である。しかも、空が明るくなり雲は相変わらずあるが榛名山の全貌が見えてきた。風呂場から見ると、流石に5階だけあって高く榛名湖に映る榛名山がよく見える。こんな景色を見ながらゆっくりと浸かって疲れを癒すことが出来た。最後になって良い目にあった感じである。
そんなこんなで、結局山では最後まで天気は悪かったです。そのためでもあろうが、大分きつく感じました。やはり、山は天気が良くなければ・・・。 でも、最後の風呂だけは最高でした。そして、無事に帰り着きました。
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