平成7年10月4日に家族の仲間入りして12年、ころころとぬいぐるみのように可愛かったとらも人並みに言えば70才近く、口の周りも白くなり、精悍な面立ちも何処か優しさが見えるようになりました。 朝はお父さん、夕はおじいさんと散歩して、昼間は藤棚のしたで通りを眺めながら留守番の毎日でした。 11日朝、急に歩けなくなり椎間板ヘルニアとの診断でした。 このまま寝たきりになったら、将来に備えてとらで介護の練習をするよ、等と家族も冗談を言いながら軽く考えて居ましたが、飲まず食わず、声も立てず動かず家人の動きを目で追うだけの一日で、さすがに心配になりました。 声を掛けたり撫でたり水を勧めたり、家人も看護を続けけましたが甲斐無く、12日未明静かに旅立ちました。病名はわかりません。居間からガラス越しに見える空は高く青く、白い雲がゆっくりと流れています。 藤の小枝も風にそよぎ、いつもと変わらぬ景色ですが、藤棚の下の、主の無い小屋は妙にさびれ、荒れて見えます。 こけむした屋根や雨戸はどうして今まで気にならなかったのか、寂しい庭になりました。
とらちゃん ゆっくりお休み、ありがとうね。 |