徒然起稿

吉田兼好の「徒然草」を引用した「つれづれ」とは,「なすこともなく物淋しいこと」と辞書にあり,全ての職を辞した退職素浪人の小生にぴったりと思って引用したプログです。
 
2006/08/05 14:52:33
学生時代の想い出(2)
 小学校にM先生という若い先生がいた。視力の関係で陸軍士官学校に入れず小学校教員になったという噂の先生であった。この先生,軍隊式に生徒を育てるという信念があったのかどうか,始業前にクラス生徒の全員に鉄拳制裁を加えるのを常としていた。
 
 全く何の理由もなく生徒の頬を拳骨で殴るのである。当時の軍隊は精強な兵士を育成するためと称し鉄拳制裁は当たり前のことであったが,なにも訳が分からず思考力も成長していない幼児を殴るというのは,そんな時代だからこそ許容されていたのだろう。

 しかし幼児であるから,ワンワン泣き出す者もいて,凄惨な教育の場であったとしか言いようがない。殴られるのが嫌で登校を拒否する児童を父兄が付き添ってむりやり登校させている場面を何回か見たことがある。この鉄拳制裁が幼児の教育になんの効果があったのか・・・・。

 戦後,これらの先生方が引き続き教育の場におられたのか,それとも自ら去ったのかは知る由もない。
 
 年齢を経た平和な時代の同窓会では,「それらの先生も戦争の犠牲者だったのさ」と言いながら,昔のことを思い出したくないというのが多数であり,嫌な想い出にふれたくないと言うのが全員の気持ちであったような気がする。



     コメント一覧
[ 1 - 10 件 / 1 件中 ]

こんにちは、楽しく読ませていただいております。
今では考えられない教育方針ですね。私の頃もまだ名残はあったような気がします。よく殴られました。
しかし悪さばかりしていたので、当然だと感じております。

akibo
  (2006/08/05 15:33:23) [コメント削除]

[ 1 - 10 件 / 1 件中 ]