5年程も眠ったままの本を棚から抜き出し、読み始めた。
著者/原田マハ 出版社/PHP 書名/風神雷神図 上・下巻
主役の名は、俵屋宗達(たわらやそうたつ)。国宝/風神雷神図を見れば ーあっ、これねーと仰っていただく方が多いと思います。
宗達は、安土桃山時代から江戸初期に活躍し、日本画の歴史に色濃く足跡を遺した極めて有名な日本画家でありながら、経歴に関する伝記資料が一切存在せず、時の権力者たちと強い結びつきのあった王朝絵巻の流れから、現代に至るまで古今東西、誰しもが美しいと感ずる煌びやかな日本画の世界を礎いたのが宗達であり、宗達に私淑した尾形光琳は、宗達の生きた、その1世紀後に宗達版/風神雷神を模写し、さらにその1世紀後に、この二人に私淑した酒井抱一(さかいほういつ)が画風を継承し、江戸琳派を確立します。
さて、この宗達の代表作「風神雷神図」は、晩年の1630年代後半の作品であろうとされながら定かではない、まさにミステリアスな作品です。で、あれば宗達の生きた時代に華を添える架空ながら物語があっても良いですね。 これを架空とする理由は、この宗達を推したのは多彩な芸術家であり、若き芸術家達の後援者でもあった、本阿弥光悦(ほんあみこうえつ)とされていますが、本書では、同時代を生き、その後400年に渡り、徳川幕府のお抱え絵師集団となる狩野派を確立した狩野永徳が宗達を推します。
うーん、とにかく面白いのですが、まだ下巻に辿り着けない・・・・。
|